賽の河原で待ち合わせ

死ぬまで、女をやる予定

ありふれた絶望

わたしは今日も、絶望が巻き散らかされたこの世のギリギリの淵を歩いている。ありふれた可愛らしい絶望が、ゴロゴロしている足元だ。

 

まず何より、毎朝起きるのがつらい。そもそもだ、此の世に毎朝起きるのが辛くない人間なんているのだろうか。否、いるはずがない。八月に入り、夏の盛りを迎えようとも、今日も今日とて、お布団の誘惑は深く深く甘美である。冷房設定温度28度の部屋の中で揺蕩うシーツの波は、わたしの全身を優しくぬるぬると足の指先まで包みこむ。もうわたしはここから一歩たりとも動きたくない。どうしてもだ。今日はもう、どうしても仕事に行きたくない。マジで。マジで仕事をサボる5秒前だ。これこそまさに、MS5です。わたしは、今わたしに誓おう。今日こそ仕事をサボってみせる。絶対に、絶対に地下鉄には乗るまい。仕事には行くまい。つらい。心底つらい。絶対に仕事には行くまい。まいまい。このまま速やかに二度寝をし、さらに三度寝をし、そうしてお布団に溶けていくのだ。ぼーっとした頭の端に、機械音が響いてくる。ああ、無情。ああ、無情なるスヌーズ機能。いやだがしかし、今日は行かない。ダメだ。行かない。ダメだ。行かない。ダメだ。さすがにもう起き上がらねば。あああああ、そうよ、この世は地獄だ。ズルズルとまるでゾンビのようにベッドから這い出る。そのままただ、ズルズルとズルズルと洗面所へ向かう。ただただ現世を呪い、絶望しながら蛇口を捻れば、ここでまたひとつ、絶望がパクリと口を開けて笑う。そう今朝も、髪型が壊滅的にキマらないのだ。

 

 

はあ〜〜〜〜ああああああ、ああああああもうさあああああああああ

明日、何着て生きていこうかあああああああああああああああああああ