賽の河原で待ち合わせ

死ぬまで、女をやる予定

恋と物件

いつか、恋人がわたしに「家を選ぶ時の、絶対条件って何?」と何気なく尋ねた。
わたしは“もしかしてプロポーズ!?”と囃し立てたい気持ちをグッと腹の底へと留め、想像を巡らせた。

そして「ベランダがあること」と答えた。彼は拍子抜けした顔で言った。
「いや、絶対に譲れない条件だよ??バストイレ別とかじゃないの??」


そりゃあ、バストイレは別に越したことない。できれば外観と内装もオシャレなほうがいい。デザイナーズ、リノベーション、なんて素敵な響きでしょう。
それから駅からの距離、近くにコンビニが有るか、治安も大事。もちろん日当たりは重要。オートロック、宅配ボックス有、浴室乾燥機付も有ればきっと便利よね…


でも、それら全てをクリアした物件があったとして、しかも家賃も予算内だったとして。
でも、もしもベランダがなかったら…と考える。
もしも全てがクリアされていても、ベランダがなければ、わたしはそこには住みたくないと思う。

では逆にベランダがありさえすれば、何処ででも住めるのかという話になると、もちろんそんなことはないのだけれど。


これは、婚活の条件の話に極めて似ている。

身長170センチ以上、大卒以上、次男、別居、年収安定、35歳まで、バツはイチまで、できれば初婚、スポーツが好きで、親切な人…

挙げたい条件はそりゃあ沢山あるだろう。それらを全部クリアした男性が、自分を好きだと言ってくれている。

銀行員だし、きっと親も安心してくれる。顔だって生理的に無理ってわけじゃないし、優しいし。何よりこの人を逃したらもうわたしを好きだって言ってくれる人なんてあらわれないかもしれない。
これを断るなんて、わたし身の程知らずだよね??もう29歳、若くないし…

でも、でも、でも、でも、繋がれた手になんとなく違和感がある。
一緒にいて、楽しくないというより、苦痛に近い。

何がダメってわけじゃない。変な性壁もなさそうだし、DVも浮気も借金もなさそう。何が文句あるのって言われたら、文句ってほど何かがあるわけじゃない。




ある程度の年齢を重ねれば、自ずと気づくことだが、全てが理想通りのピッタリあう相手なんて妄想の中にしか存在しない。

だから、幸せになるには、そもそも覚悟が必要です。

向き合っていって、すり合わせていって、手を取り合って、決してあきらめない。そうやって幸せになるぞっていう覚悟。そうして、わたしが幸せになることは、相手を幸せにするということ。

それを固められないならそれはもう、アウトだと思うんですよ。
ベランダがないのよ。

わたしは晴れた日に、思い切りお布団をベランダで干したいの。
そういう日々を重ねて生きたいの。
雨で濡れたベランダを睨む日もあるだろうけど。


ただ、わたしが注意してほしいのは、誰かと比べてしまって恋に踏み出せない場合。
やっぱり元カレが良かった、付き合えなかったけどあの人が良かったなど。
それはまだちゃんと向き合ってないだけかもしれないから、早合点しないでほしい。
そのベランダは偽物です。妄想のベランダ。妄想の中にしか存在しない。


でもそうじゃないなら、一対一で向き合ってやっぱり無理なら、自分を殺しても恋なんか出来ないと思う。

幸せになる覚悟が出来てるなら、
なんなら、ベランダから飛び降りることだってあるのよ。

バターケースとわたし

ずっと昔から憧れているものがある。
これである。





別にとりたてて高価なものではないし、買おうと思えばいつでも買える。
それはわかっている。



amazonでポチれば、明日には手元に届くであろう。
便利な現代の東京を生きている。
それでもわたしはまだ、それを手に入れられない。



思い起こせば18歳の頃だ。
バターケースという存在を知った。
大袈裟かもしれないが、それまで確かにそれはホテルや喫茶店での食事の時にしか見たことがなかった。
あるいは、テレビや漫画や映画の中にしかなかった。

銀製のものや白い陶器など、あれら可憐な佇まいのバターケースは、わたしにとって非日常、あるいはおとぎ話の宝石箱のような非現実的で、触ったら崩れそうなものだと思っていた。

けして現実的ではなかった。
だから、知らなかった。



幼い頃から育った我が家には、それはなかった。
バターの脂肪分を気にする母が、生協のマーガリンを愛用していたからという単純な理由だと思う。
プラスチックの何とも世俗的なマーガリンが、冷蔵庫のなかにふてぶてしく存在していた。それは本当に可愛くなかった。


さらに言えば、わたしはマーガリンよりもバターの味と風味が好きだった。
もう18歳になったのだから、わたしは己の好みで、マーガリンよりもバターを選んでいいのだ。

とても厳しい家で育ったためか、自分から積極的に好みを選択することに不慣れなわたしは、バターを買うという行為ですら、すごく大人になった気がした。
選択の自由。わたしはバターを買っても良い。
当たり前である。


大学進学を機に一人暮らしを始め、世の中の大学進学を機に一人暮らしを始めた学生と同じように、わたしも無印良品へ行った。


その日、バターケースと出会った。それは確か、すべて白い陶器だった。
なんとも可憐な佇まいだった。
そして、優雅さと贅沢を湛えていた。
それこそが、わたしが18歳で初めて触れた“ていねいな暮らし感”だった。



バターをわざわざケースに移し替えて使うのだ。
お料理のときも、すごく手間がかかるだろう。急いでいるとき、厄介だろう。
わざわざケースを取り出して、蓋を開けてバターをカットして使うなんて。
汚れたらきちんと拭き取り、冷蔵庫に戻す。バターを使い終わるまでにも定期的に洗ったりするのだろうか。
そもそもあの量のバターを常備して、悪くならないうちに使い切るのは、一人暮らしでは無理があるし、二人以上で暮らしていたとしても、おそらく毎日のようにバターを使うべきだ。
きっと主に朝食だろう。




“生きる”ことと“暮らす”ことの雲泥の差を、無印良品のキッチン小物売り場で見つけ、立ち尽くしたのが10年余り前。
両手のなかに一度収めてはみたが、とてもじゃないけど、今は買えないと棚に戻した。



その後、バターケースに憧れすぎて色々と探した結果、
野田琺瑯のバターケースが、一番それらしくて、しっくりきた。
それ以来ずっと、憧れ、恋焦がれ続けている。


木の箱のものや、ガラスケースや、もっと実用性の高いものも、すべて陶器でやたらラブリーなものもあったけど、
やっぱりこれが、ずぼらなわたしにとって
“最も現実的で、洗練された見た目の”
バターケースだと思っている。
現実的であることは、素晴らしい。



わたしはいまだに、切れてるタイプの小さいバターを愛用しているし、雪印の箱のまま冷蔵庫に突っ込んで使っている。
いまだに一人暮らしで、いまだに、ろくすっぽまともな朝食をとる習慣すらついていない。



わたしが憧れているのは、バターケースに象徴される、ていねいな暮らしである。しかも、一人ではない。
穏やかな朝食という日常。
もっと言えばすこしのオシャレさ。
憧れる。憧れまくる。




近所のパン屋で、一斤の食パン、あるいは一本のバゲットを休日に買い込む。
それをバルミューダのトースターでカリッと焼いて、
野田琺瑯のバターケースから取り出したバターをたっぷり塗る。
それから薄く蜂蜜を垂らしたものを、バリバリ言わせながら頬張るのだ。
うん、美味しい。
それから、愛するひとが淹れてくれたコーヒーを飲む。香りが広がる。
これが幸福というもの。
バターケースが収めるのは、バターだけではない。
幸福を現実的な形に収めたもの。
ていねいな暮らしの塊。





もう29歳だというのに、きっとその日がくるまで、わたしはバターケースが買えない。

ブログを書くということ

今書かなければ、もう二度と書きたくないと言って、二度と書くことがないであろう己の姿が見えるので、
箱詰めの地下鉄に揺られながら、今必死にスマホをいじっている。


筋トレをしている恋人を見るのが好きだ。
苦痛に顔を歪ませ、普段お行儀よく綺麗に配置されているはずの目や鼻や口が、元気いっぱいに散り散りになる。
軽やかに息を乱し、言葉にならない淡い喘ぎ声を上げる。最高にキュートだ。

これだけ聞くと、わたしがただのサディスティックな趣味な女のようだが、別にそうではない。
なぜなら筋トレは、誰かに強制されたわけでもなく、彼自身が自ら望んで行ってることだからである。何らかの他者からの介入が認められる苦しみを受け、辛がる様を喜ぶのが、悪趣味なサディスティックであろう。


自分で自分を痛めつける様は、一見ただただ愚かに見えるが、しかし実際は同時に己のやりたいことを叶えている。
今現在は小さな筋肉を、鍛えることによって大きくするということ。今はないのだから、プルプルと震える。苦しい。必死。ああなんて非力。

この少しの滑稽さと、苦しくてもやりたいことを遂行する強さとまじめさが、懸命な様をよりキュートに見せる。
わたしは苦しいことが苦手なので、恋人のそんなところにぎゅんと惹かれるのだ。



ブログを書くのはそれに似ているな、と思った。
ずっとずっと長い文章を書いてみたいと思っていたはずなのに、いざ書いてみるとそれはそれは気持ちが悪くて、顔が歪むほど苦しいものだ。
頭の中にうっすらあったはずのパーツを、結論の枠組みにたどり着けることも、順序だてて組み合わせることすらままならない。何にも吐き出せねえ。
これは困った。
まさに、自ら望んで行った行為に苦しんで、実に愚かなかんじが逆にキュート☆という、わたしの嫌いな筋トレそのものではないか。


わたしは苦しいことが嫌いであるから、筋トレをするのももちろん大嫌いである。
そんなわたしが息を切らして、腹筋20回に取り組む様を見ると、恋人はとても喜ぶ。キュートだと笑う。
そりゃそうだろうよ。



そんなわけでブログを書いていける自信は全くないが、こんな非力なわたしのキュートな筋トレに、今後も微笑みながらお付き合い頂けたら大変幸いである。

ノリノリノリカ☆

藤原紀香さんによって明らかになってしまった

女性ファッション雑誌『JJ』と『ViVi』は実際どちらのほうがイケてるのか問題。

 
発端は、わたしのこのツイートである。
 
 

 

 
 
先日、ラブリンことと歌舞伎俳優片岡愛之助(6代目)との結婚で世間を賑わせた藤原紀香さん。
その左手の薬指に光るエンゲージのダイヤモンドは、なんと貫禄の3カラット!!!!
さすがです!!!!さすがですとしか言えない!!!デカい!!!!!
 
 
 
 
しかしそんな巨大ダイヤに負けることのない、キラキラに輝く溢れんばかり最高の笑顔。
齢44歳にして現在もなお保持し続ける、まさに峰不二子を思わせる完璧なスタイルは言わずもがなである。
 
 
 
 
 
 
だから、普通に考えて…
普通に考えたらね????
 
 
 
 
 
 
 
 
女子の憧れ的存在であるはずなんですよ???????
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それがさあ、、、、なんだろう、、、なんていうか、その、、、
びっくりするぐらい、憧れないわけ。
何でかなあ〜っていうか、
なんさあ、何ていうかさあ、、、、
 
 
 

 

 
こういうことなわけ。 
 
 
 
 
 
 
何ていうかさあ、、、、
なんかさあ、なんかさあ、、、、イケてなくない????ってなるわけ。
 
 
 
 
 
 
いや、紀香だってわたしにイケてないとか言われるの、本当に心外だと思う。
わかる、すごいわかる。すごい紀香の気持ちわかる。
ここまでくるともうね、俄然藤原紀香さんが気になってきたよね。
気になるどころか、もはやわたし、シンクロしちゃってるからね。
紀香の気持ち、わかっちゃってるから。
 
 
 
 
 
 
なのでわたし、紀香についてもっと造詣を深めようと思って、
さっそくググってみることにした。
知ってるつもりであんまり知らない、藤原紀香さんについて調べてみた。
 
 
 
 
 
そしたら、やっぱり案の定、藤原紀香さんの経歴は華麗だった。
そもそも芸能界入りのきっかけが、ミス日本グランプリの獲得ですからね???
マジ華麗。これ以上ないほど華麗。
グランプリですからね。これ以上ないほど華麗ですよ。
よ!日本一!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
からの、女子大生のバイブル!!!!
超有名女性ファッション誌JJのモデルをつとめる!!!!!
モデル!!!!!超オシャレ!!!!!!イケてる!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
・・・・ちょっと待って????? 
 
 
 
 
 
 
もしかしてだけど、もしかしてだけど、
もしかしてだけど、わたし、ちょっとした真理に気づいちゃったのか知れない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
え、どうしよう。。。どうしようみんな。。。。 
もしかしてだよ????本当にもしかしてなんだけど、、、、
うっすらと真理みたいなものに気づいてしまったのかもしれない・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、でも、、、そんなはずないと思う。。。
そんなはずないとは思うんだけど、一応ね????
一応みんなちょっと聞いてくれるかな???
ちょっと、これ見てほしい。 
 
 
 
 
 
 
 

元JJモデル

○ラブリ
 (順不同、敬称省略)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
え?????
ちょっと待ってちょっと待って
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちょっと待ってちょっと待って
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やっぱりそうじゃない?????????
もしかして、やっぱりそうじゃない??????????? 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あんま、憧れなくない???????
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、落ち着いて!!!!落ち着いてわたし!!!!!!
そんなわけないよね、あのオシャレ雑誌JJでしょ???
イケてるはずじゃん!!!!!
そんなわけないじゃん!!!なにかの間違いじゃん!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
って、思わず取り乱したよね
いや、だってびっくりじゃない???
 
 
 
 
何なの?????何だろうどうしてだろう。。。。
全員むちゃくちゃ美人でむちゃくちゃスタイルいいのに。。。。。
この、そこはかとなく漂う、イケてない感・・・
そんなことってある!?!?!?!?!?
 
 
 
 
 
 
 
 
なんていうか
憧れない感??????
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そこでね、わたし気づいた。
これは比較対象が必要なんじゃないかってことに。
 
 
 
 
 
 
 
 
『JJ』と双璧をなす超有名女性ファッション誌といえば、
もちろん『ViVi』!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そこでね、ViViの元モデルたち(通称ViViモデルズ)を
みなさんにもご覧いただきたい。
 
 
 
 
 
 
元ViViモデル
(順不同、敬称略)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ええええええええええええええええええええええええええええええええ
いや、憧れるーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 めちゃくちゃ憧れるーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
え????なにこの全体的なオシャレ感??????
そしてさらにそこはかとなく漂う、配偶者の勝ち組感?????
なにこれ????さっきはなかったよ????
こんな感じさっきはなかったよね????? 
 
 
 
 
 
 
 
つまりこれって、
長年みんなが抱えてきたであろう疑問である、
女性ファッション雑誌『JJ』と『ViVi』は実際どちらのほうがイケてるのか問題に対する答えが、図らずも出ちゃった形なんだけど、お伝えしちゃって大丈夫かな????
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はい、つまり結論
 
 
 
 
 
 
女性ファッション誌JJとViViでは、ViViのほうがイケてる。
 
 
です。(何の話)
 
 
 
 
 
 
まあ、アラサーのわたしはこんな若い子向けの雑誌、
久しく読んでないけどね。
 
 
 
 
 
それでは 最後に、婚活アラサーですから。
まじめに婚活アラサーらしく、婚活アラサーのみなさんに、
本当にお伝えしたいこと、
心に刻んでいただきたい耳寄りな情報をお伝えして、締めくくりたいと思います。
 

 

『JJ』

『JJ』(ジェイ・ジェイ)は、光文社が発売している日本の女性ファッション雑誌。月刊誌で、毎月23日発売。赤文字雑誌の一角をなす。主な対象読者は女子大生で、「男好みのコンサバファッション」を中心に扱っていることで知られる。

JJ (雑誌) - Wikipedia より引用)

 
 
JJって雑誌名の由来が、Jyosei‐Jishinの略っていうことも衝撃でしたが、
コンセプトも衝撃だった。
「男好みのコンサバファッション」とな。
 
 

『ViVi』

2010年度の日本国内の発行部数は約43万部で、赤文字雑誌では第1位である。対象年齢層は15 - 36歳となっており、OLと女子大生がメインターゲット。ファッション・メイク・ヘア、海外芸能人に関する記事が中心となっている。

他の赤文字雑誌と比較すると、以下のような特徴がある。
海外志向が非常に強い。ハーフ(またはミックス)の専属モデルが多く、またモード界に関する掲載も充実している。
男性受けより、自分の求めるスタイルを重視する傾向がある。赤文字雑誌の中では最もかっこよさを追求している。

ViVi - Wikipedia より引用)

 
 
 
ほら、思い出して!!!!!!
 
 
 
 
 
 
上記の、
配偶者の勝ち組感出してたほうがどっちだったか
思い出して!!!!!!!!!!!
 
 
 
 
 
そういうことです。
男受けファッションに身を窶さなければ彼氏ができないの????
と思い悩んでいる婚活女子のみなさん、大丈夫!!!!!!!!!!!
 
 
 
 
 
大切なのは、自分らしさなんだぞ☆
 
 
 
 
 
 
 
 
 
最後になりましたが、
藤原紀香さん、本当にご結婚おめでとうございます。
どうぞ、末永くお幸せに。
 
 
 
 
 
 
 
 
あああああああああわたしもめっちゃ結婚したいいいいいいいいいいいい