賽の河原で待ち合わせ

死ぬまで、女をやる予定

まさかの今更、分娩レポ

無痛分娩レポです。長いです。

メモ帳に残っていたので、ご興味ある方は読んでいただけたら嬉しいです。生々しいので苦手な方はやめてください。

もう一年以上前のことなんて驚愕。そういえば麻酔チューブ入ってた背骨の間みたいなとこが未だになんかちょっと痛いんですけど、これは治らないんですかね。メンタルか?

 


予定日当日

数日前からおしるしと思われる出血があり、今日こそ!という気持ちで朝から検診へ行く。子宮口は2センチ程度でまだ固いが、お腹の張りに痛みも伴っているようだし、胎児の予想体重も3000超なので今日の午後から入院しましょうと言ってもらえる。たぶん普通分娩だったらまだまだなんだろう。明日の朝から陣痛促進剤を点滴し夕方で一旦打ち切り、明後日の朝からより強い陣痛促進剤を投与し、その日の午後に出産という流れだそう。明日中に産めると思っていたのでそんなに甘くないんだなと思う。仕事中のオットにLINEで連絡。一旦帰宅し、各実家にも連絡。最後の入浴をキメて、タクシーで再度病院へ。荷ほどき後、看護師さんに点滴の針を入れてもらう。痛い。え、これでずっと過ごすの?痛い。下手では?部屋で一人そわそわと落ち着かないでいると、そのうち処置室に呼ばれる。麻酔医の先生に背中に麻酔用チューブを入れてもらう。絶対に動かないぞ!と意気込んで挑んだが反射的に腰が動いてしまい、素早く注意される。仕事を終えたオットと面会し、安心して泣く。面会時間ギリギリだったため30分くらいでオットが帰ってしまい、悲しくてまた泣く。体の各所が地味に痛むし、大変心細い夜。イソップのトラベルセットを持ってきていてよかった。リップクリームや化粧水を使うたび、いい香りでほんの少し心がほぐれる。部屋に入ってきた助産師さんにいいにおーいと言ってもらえる。ほとんど眠れず朝を迎える。

 


予定日超過1日目

朝7時からブドウ糖点滴、その後陣痛促進剤の投与開始。痛みの感覚は結構まばら。7分くらい?ブログやツイッターでいろんな人の麻酔分娩レポを読んだが、大抵の人たちが子宮口開く為のバルーン入れる処置をしていたけど、そういうのはないんだなあと思う。陣痛を進めるために、廊下をスクワット歩きすることを勧められる。事前に同意していたため助産師資格取得の勉強中である学生さんが一人ついてくれる。彼女が廊下を一緒に歩いてくれ、足湯やふくらはぎのマッサージもしてくれた。痛い痛いと嘆くわたしを励まし、関係ない話をして気分を紛らわせ、陣痛がきたときは上手に腰をさすってくれた。大変にありがたく、ひたすらお礼を言っていた。この学生さんが優秀な成績を収められますように。昼頃にオットが来てくれて、顔を見て安堵する。オットも一緒に廊下を歩き腰をさすってくれるが、位置や力が、そうじゃないの!となるので、もっと下!強く!などと言っていたら萎縮していた。こちらとしてはお願いしてるつもりなのだが、痛いときにズレたところをさわさわ撫でられると、ついカッ!と般若みたいな顔で威嚇してしまう。その後学生さんに撫で方を習い、修得してくれた。実母からのLINEと着信が鳴り止まず、勘弁してくれよと思いながら全て無視。オットに対応を頼む。そもそもスマホの画面の光が無理で産んだ翌日まで一切携帯を見られなかった。リアルタイムで陣痛実況してる人、本当すごいなと思う。夕方には疲れでフラフラ。17時頃内診してもらうと、子宮口はまだ4センチ弱とのこと。ウケる。みんなこれ自宅待機してるレベルじゃん。一旦点滴を切り、今日は夕食を食べて明日に備えることに。まだ4センチにも満たないというのに、本当によく頑張ったね偉かったね明日は産めるよと先生が労ってくれるので、ありがたくて涙が滲む。今までこの先生のことを、年齢あんまり変わらないだろうに人を子供扱いするように話すから苦手だなあと思っていたのを、本当にごめんなさいと思った。針が刺さったままの手がクリームパンのように浮腫み、痛くて箸が握れない。点滴を切ったことで陣痛は徐々に遠のくが、前駆陣痛か?深夜に約10分間隔の痛みがきてやはりなかなか眠れず。だけど前日とは違いオットが病室に泊まってくれて、すごく心強かった。

 


予定日超過2日目

前日と同様に朝から点滴開始。前日より痛みが強く、ろくに運動できない。学生さんが足湯マッサージをしてくれる。優雅すぎて気分はセレブ。痛みの間隔は3-4分になり、腰をさすられるだけでは物足りず、拳で腰骨らへんを強く押してもらう。前かがみになるピンクの変な形の椅子に跨がり、呻きながら息を吐き痛みを逃す。助産師さんたちに、痛みが強くなったらすぐ麻酔始まるから!そしたら痛くないから!と励まされる。そっか、まだ痛み強くないのか、やべえな。もともと妊娠後期はもう毎日毎日苦しくて睡眠不足で体力なくなってるのに、今度は陣痛で気力体力を削られすぎて、これから産むとか無理やろとすっかり弱気に。

昼前の内診で、破水させて麻酔を開始しようと言ってもらえる。看護師さんたちによく頑張ったねと労われる。麻酔開始からしばらくするとお腹が張っていく感覚はあるけれど、痛みは感じないという不思議な状態に。うおー!痛くない!痛くないです!!!!うおーーー!!!!とテンションが爆上がる。痛みがなくなったとたん、俄然やる気が湧いてくる。おっしゃー!産むぞ!産める!と、突然強気。我ながら現金だなと笑ってしまい、オットにも笑われる。麻酔がなければこの期に及んで談笑なぞありえないだろうから、麻酔は神。和やかに1時間半程時間が経過して、また内診。子宮口全開とのこと。マジか、麻酔すごい。が、全く痛みがない状態ではお産の進みが悪くなるので麻酔を少し止めますと言われて怯える。促進剤はマックス。

先生にこれから2時間以内に産めるよ〜と言われ、終わりが見えてやる気が出る。まったくの無痛からすこーし痛みが戻ってきたかな?という程度に。生理が重いタイプなので、これなら生理痛のほうが断然痛い。1時間半後くらいにまた内診。髪の毛出てるよ!と言われてウケる。ウケれるくらいに痛くない。分娩室に車椅子で移動。自分の感覚の腹の張りのピークとグラフのピークがちゃんと合っていたので、そこに合わせていきむ。目を閉じないように必死。イメトレ通り。みんなが上手上手とめちゃ褒めてくれる。先生の指示で腹の上に助産師さんが乗ってきた。馬乗りになった大の大人が尋常じゃない力で腹を押してくる。うわ、マジか。いや聞いてはいたが、そんな馬鹿力で全体重かけて他人が腹に乗ってガンガンに押してくることある????いやこれ大丈夫?現代の医療行為???あああああああああああ

で、産まれました。

 

 

 

吸引なしでした。痛みの確認をされたけど、いきむ時もほとんど痛くなかったと言うとすごく麻酔の効きがいいタイプだと言われた。この時が痛すぎて全然無痛じゃない!と怒る人も結構いるらしい。よかった、痛くなくて。会陰切開もしたけれど、麻酔のおかげで切る時縫う時共に全く痛くなかった。

 

むすめを見せに看護師さんが枕元に抱っこしてきてくれるんですが、デカすぎて本当引いた。いや、3188グラムだったので巨大児とかじゃないんですが、わたしの体との割合がね。こんなの出てきたの?そりゃ無茶でしょってなって、かわいいとか感動とかより先にデカさに引いてしまった。よく下から産めたなとドン引きしながら、安心感で号泣。

その後は血圧が20とか聞いたことないとこまで下がり、血が止まらず腹に注射を6本も刺されて、全然もう1ミリも動けなくて死ぬかと思ったし、麻酔切れたあとは股の痛みで絶叫したし、後陣痛が数週間続いてそれも辛かったです。下半身がズタズタってこういうことかってなった。自分的には大事故なんだけど、これは至ってスムーズにうまいこといったお産らしい。マジか〜

あとは恨言になりますが、退院前日にオットに病室に泊まってくれと頼み込んだのに断られたことを根に持っています。連日気が立ってて体が辛いのに寝れなくて、でも最終日は夜間も通しで母子同室で過ごさなきゃって思ってて、どうしてもそばにいて欲しかったのに断られたのが本当に悲しかった。その後助産師さんがオットを説得してくれて、結局は泊まってくれたのでよかったんですけど。仕事しんどいだろうし病室に泊まるのはきついだろうけど、わかるけど、これは本当にね快諾して欲しかった。オットは育休を二週間取得してくれて、夜の授乳もオムツ替えも全部一緒にやってくれて、本当に心底この人がパートナーでよかったって思ってるわたしだけど、それでも、あれは根に持ってるし、もしもあのまま泊まってくれてなかったら、オットに対する不信感がやばかっただろうなと思います。関係が破綻して、今のような家族にはなれなかった可能性も普通にあると思う。

全パートナーの方は産後、どうかできる限りそばにいて、心身ともに満身創痍で不安定な母体を気遣い、子育てをゼロから一緒にする努力をしてほしいと思います。これから出産を迎える方々に少しでも参考になれば幸いです。

 

最後にスケールの大きなことを言いますが、この世に生まれるすべての命が祝福され、その命を授かった全ての親たちが支えられることを、心からめっちゃくちゃ祈っています。