賽の河原で待ち合わせ

死ぬまで、女をやる予定

顔とか髪とか

先日、結婚式を挙げて3年が経ちました。オットと、今日結婚式挙げた日じゃん!あれ?2年前だっけ?あれ?とか言っていたら、3年前でした。

 


挙式時は夫婦揃って大変多忙だったので、全部まるっとセットになっている挙式プランで申し込んだ。引き出物や装花、ヘアメイクやペーパーアイテムなども一括してホテルで頼むプランで、とにかく楽だがそれぞれをオシャレなところに外注してこだわることができず、Instagramのキラキラ花嫁たちとはえらい違いの雑さで挑んだ。クラシックホテルでの挙式だったため、よく言えばクラシカル、悪く言えば野暮ったい箇所もあり、一番懸念していたのはヘアメイクだった。

 


わたしは肌も汚いしメイクも下手くそで、化粧品もスキンケアも眉の書き方もアイシャドウの塗り方も正解がいまだにわからない。デパートの化粧品売り場はずっと苦手だ。そんなわたしなので結婚式のヘアメイクリハーサルでとんちんかんなヘアメイクをされたときにも、あれ?これおかしくない?と思いはしたものの、自分の感覚を信じていいのか自信が持てなかった。初めに希望はひととおり伝えていて、相手はプロなんだから、プロのすることが正解なのでは?という思いが強過ぎて、自分の意見を言うことが出来なかった。鏡の中の自分を睨みつけながら、なんかおかしい…古臭い…色がおかしい…おばさんみたい…でも…でも…と暗澹とした気持ちになっていった。

 


思い返せば、成人式の前撮りの時のヘアメイクもこんな感じだった。全然希望に沿ったものにならず、当時の写真は一度も見返していない。ダメだ、あれを繰り返してはいけない。プロのメイクが映えないのは自分が不美人だからかもしれない。それならそれで構わない。わたしは30年、わたしの顔で生きてきているのだ。彼女たちはヘアメイクのプロではあるが、わたしの顔に関してはわたしのほうが扱ってきた歴が長いのだから、自分の感覚を信じなきゃダメだ!と己を鼓舞した。写真を見ながら、具体的にどこがおかしいのか検討していった。

 


まず、髪型は具体的な写真を見せるべきたと判断し、希望に近い写真を探した。アイブロウと眉マスカラの色が赤みの強い茶で絶妙に似合ってなかったので、普段使っていたアッシュ系のを用意した。赤リップを希望してシャネルのものを塗ってもらっていたがこれまたピンク味の強い赤が絶妙に似合っておらず、百貨店のコスメカウンターに勇気を出して赴き、ちゃんと数本タッチアップしてもらって決めたものを持参。ちなみにBurberryのもの。思い出のリップなのに、ブランドが日本撤退してしまったので寂しい。それから、アイシャドウもベースのパール感がまた絶妙に似合っておらず…こちらも新たに購入して持参した。当日の朝、ヘアメイクさんたちに写真を見せ、これらを使用してお願いします!と依頼をして、なんとか、納得のいく頭と顔で式を挙げることができた。なので、本当に、マジのマジで、自分の感覚を信じることは大切。なんかちょっとおかしいかなと思ったら、ちゃんと言わなきゃダメなんだなと、めちゃくちゃ当たり前のことを痛感した。

 


持ち込み不可だったブーケや装花、ウエディングケーキももっとオシャレにしたかった!という気持ちがなくはないが、ヘアメイクについては絶対に、あの時言わなかったら大袈裟でなく死ぬまで後悔していただろうと思うので、本当に言ってよかったです。あと、レンタルドレス屋さんでも、手袋は必須と強めに言われたので負けて購入してしまったけど、当日はつけませんでした。似合わなかったので。プロの言うことに従うべきこともあるだろうけど、我を通してよかった。

これから結婚式を控えている、自分を信じることが苦手な方にめっちゃ言いたいです。相手はプロだしとか、美人じゃないから化粧のこととか言えないとか、わたし化粧下手だしとか、相手はプロだしとか、いろいろ思っちゃうけど、大丈夫です。むしろ相手はプロだからこそ、ちゃんと依頼して大丈夫です。がんばってください。誰も読んでないかもしれないけど、言いたい。

 

さて先月、美容院でカットパーマを施してもらってきた。いまだに微妙に納得がいっていない。テレビ電話をした実母からは、子持ちのおばさんみたいと評された。たしかに、わたしは今子持ちのおばさんじゃないわけではないんですけど、酷い響きだと思った。だけど美容院を出るとき、わたしはニコニコして出てきてしまった。なんかちょっとおかしいかもな?と思ったけれど、どこがどうおかしいのかわからなかったから。その瞬間に、咄嗟に、どこがどう嫌なのかを判断して伝えるのって、やっぱり難易度が高い。帰宅後、こんな風にしてくださいと見せた写真と鏡を見比べて、たぶん、耳の辺りと襟足に変に長さを残されてしまったから中途半端な印象でやや野暮ったくなってしまっているのではないかと思った。わかんないけど。

 

出掛けもしないのに、それから何日間か毎日ヘアセットをして化粧をして、家で研究してみた。パーマをなるべく伸ばすようにオイル多めでウエットにセットして、メイクはカラーマスカラなんか使ってみたりコンサバにならないように意識してみたら、おばさん感が薄れたように思う。たぶんだけど。美容院はだいたい3回に1回は気に入らない頭になるし、もう33歳なのに、年に1回は気に入らなすぎて美容院帰りにガチで泣く。ころころ髪型を変えすぎるのも問題なのかもしれない。まあ今回は泣いてないし、自分結構偉いなと思っている。もうしょうがないんでこの顔とかこの髪とかを、極力いい感じに納得できるようにがんばって生きていきたいと思ってます。大人なので。